怪談・奇談

眠くならないと書く気が起きない怪談・奇談
だから内容は垂れ流し状態。

夜を走る自転車

知人のRさんの話。
当時20前後のRさんは移動のときによく自転車を使っていました。
周りは自動車を乗り回していましたが、いかんせんRさんには免許もお金もありませんでした。
それでも免許だけは取ろうと、夜はアルバイトにいそしんでいました。
アルバイト先まで片道10キロほど、それで時給800円の仕事を四時間ほどやって帰ってくると言う
何とも効率の悪いことをやっていました。
 
その日もRさんはいつものバイトを終え、チャリンコンと帰り途をのんびり走っていました。
途中の橋は緩やかながらもRさんの嫌いな傾斜があり、立ちこぎをしなくてはいけませんでした。
チリン、
立ちこぎしている最中後ろから呼び鈴が聞こえました。
ふらふら走っているから後続の自転車が危ないと思って呼び鈴を鳴らしたのかなと思いながら
後ろを振り返りました。
誰もいません。
後ろを見ながら走るのも大変危ないので
前を見直します。当然誰もいません。
気のせいだったかと思い、傾斜も下りになったので座ってこぎ始めようとしました。
するとすぐに自転車に抜かれました。
 
これでお話は終わりです。
Rさんはものすごい速度だったんで後方確認時にいなかったんだろうと言ってましたが、
それなら呼び鈴が聞こえないだろうと突っ込んでおきました。
危ないから後方確認がいい加減だったんだろうとか、
向いたほうじゃない側にいたんだろうとか考えられますが、
まず考えられることは無灯火の自転車だったのだろうと言うことです。
さすがに光っていたら逆側にいても見えますよね。
いやぁ無灯火の自転車って怖いですねぇ。
それにしても音で気がつきそうなものですがいないと思うなんて、
Rさんはうっかり者ですね。