月刊少年シリウス1月号2月号

できそこないの物語

ギザギザ兄弟の金稼ぎ

この話はちょっとした喜劇であり十分面白い。しかし判明した事実の方に目がいった。
魔法人形は額に銃弾を受けたところで死なないということである。
ジュジュの存在で魔法人形に良心が必ずしも備わっているとは限らないことがわかるが、これについても確信を持つべきではないのだろうか。
血が出ていたことからもやはり布や金属ではなく血肉により成り立っていることがわかる。しかし、国境警備隊の話に出てくる魔法人形の顔は金属だろうなと思う。
アニキの魔法が一体なんであるのかがわからないが、今後のお楽しみだろうか。
店をめちゃくちゃにされたのに無事を祈ることが出来る店員さんはお人よしで大変良い。

キャンディの降る町

高橋葉介がケーキの甘さよりもキャンディくらいの甘さの方がお話としてはいいとなんかに書いていたような気がするが、これはまさにキャンディくらいの甘さである。
女性が美しく見える条件に「夜目遠目笠の内」なんて言葉があるが、近くに寄ったときに恋に落ちるなんてよっぽど好みだったのだろう。
魔法の世界の手品師は生きていけるものだろうか。まぁ今回は笑わせ師みたいだが。
ペルペという魔法人形が水あめのような杖の先から飴を作り出すことはわかった。あ、空も飛べるんだっけか。自分が銜えていた飴を差し出すなんて、プロポーズのあとにそんなことをするのは受け入れてくれたものと思い込んでしまう気がする。
間接キスっぽくてお茶にごすという漫画を思い出した。
少年は女の尻を追っかけ、少女は金のためだったのが嫉妬の心により追っかける。金が欲しい一辺倒より、このような描写が入っている方がなんとなく微笑ましくて良い。
異邦人の介入によりなんでもない日常が活気付くのは見ていて楽しい。
ちなみにどうでもいい話だが、私は飴を買ったら半分はなめきり、半分はかみきる。

ゴーストランド

外伝というだけあって魔法人形は出てこない。
そして新たに判明したことがある。
この世界には幽霊が存在することである。
鬼太郎のように生まれながらの幽霊ではなく、人が死んで幽霊となるのである。
この事実が将来魔法人形とかかわっていくのかそうでないのかわからないが、今後の楽しみが増えて気がする。
って幽霊じゃなくてオバケだった。オバケっていうと卵から生まれる印象があるなぁ。
今回のお話で考える余地が有るところといえば、オバケになってからのチャックの言葉がどれだけクーちゃんに届いていたのだろうかということである。
個人的には「だからさ、なかないでよクーちゃん」だけ聞こえたのではないかと思っている。そして振り向いたときに火の玉が見え、チャックがオバケになったことを確信したのではないかと思う。
もちろんぜんぜん聞こえてない可能性もあるし、全部聞こえていた可能性もある。作者に聞かなければわからないけど、なんとなくそう思っている。
 

やはり一月に二話載るとお得感が倍増、存在感も三割増である。
何よりなんかうれしいのである。
今後も一月に二話ペースで描いていただきたいが、きっと無理な願いなのだろう。バロックの隔月連載とどっちが無理かはわからないが。