百鬼夜行抄

2・3回読んだら飽きた。女性作家の漫画はどうも飽きるのが早い。
深みがないとか言うわけではない。
おそらく浸れないのだと思う。
簡単に言うと合わないということだと思う。
2・3回読んだら他人にやっても惜しくないような漫画ばっかりである。
初めて読むときは面白く読めるんだけどね。
 
では内容でも。
主人公は人ならざるものが見える家系に生まれた、勉強の苦手なぱっとしない、よく言えば見てても疲れない人物である。祖父からそういうものとの距離のとり方を学んでおり、何があろうとわが身大事である。友人が少ないせいか血のつながったものに対する執着がやや強く見られる。たぶん従姉のことが好きなんだろうけど「年下は好みでない」などの発言によりやや反発心を併せ持つ。趣味の有無がまったくうかがえず、目的や志向性もうかがえず立ち居地はえらく不安定である。私個人としては祖父に対する憧憬から物書きにでもなるのではないかと思うのだが、家業をついで茶道を習うのかもしれない。
 
少し脱線したがそんな主人公が亡き祖父の契約により使役するもの(作中では式神とされている)青嵐に守られつつ人ならざるもののちょっかいなどから身を守るお話である。
 
主人公の立ち居地を不安定にすることにより硬軟併せ持つ話作りを可能にしており、女性作家特有の情愛感とともに作品にコミカルさと儚さを両立させている。
ただここまで長く続くと高橋葉介の学校怪談後期のように主観的な恐怖をを味わせることが難しくなり、怖がってる人を眺めてる客観的な読み方しか出来なくなる。主人公の命の危険がないためである。いまさら殺せるものではないし、殺したところであまり良い結果をもたらさないだろうことはうかがえるため、終わらせ方の難しい話となっている。日々は続く的終わらせ方になるのだろう。